機能概要 #
キャッシュTTL(Time To Live)は、DuraSite-Edgeがキャッシュしたコンテンツを、オリジンサーバーに有効性を確認せずクライアントに応答できる期間(秒単位)です。
適切なTTLを設定することで、コンテンツの鮮度を保ちつつ、キャッシュによる高速応答とオリジンサーバーの負荷軽減効果を最大化できます。
DuraSite-EdgeではキャッシュコンテンツにTTLを設定可能です。この期間内はオリジンに問い合わせずキャッシュから直接応答します。
TTLは管理画面で設定できますが制限があり、後述のとおりオリジンサーバーのHTTPヘッダ(Cache-Controlなど)の指示が優先されます。
設定方法 #
キャッシュTTLの設定は、DuraSite-Edgeの管理画面からお客様自身でルールとして設定できます。
- 管理画面にログインし、「URLベース詳細設定登録」にアクセスします。
- 「新規登録」ボタンをクリックし、新しいルールを追加します。
- 必要に応じて「設定追加」ボタンをクリックし、新しいルール設定欄を追加・表示させます。
- 対象パスの指定:
- パス入力フィールド: 動作を制御したいURIパスを、先頭の
/
から始まる形式で入力します(例:/images/
,/admin/users/
,/specific/page.html
)。- 入力フィールド下の説明にある通り、使用可能な文字は英数字および一部の記号 (
- . _ ~ * /
) です。
- 入力フィールド下の説明にある通り、使用可能な文字は英数字および一部の記号 (
- マッチ方法: パスのマッチング方法をラジオボタンで選択します。完全一致にしない場合は前方一致になります。
- パス入力フィールド: 動作を制御したいURIパスを、先頭の
- 詳細 (アクションの設定):
- ルールブロックのドロップダウンリストから、実行したいアクションを選択します。
- ルールの動作として「TTL設定」を選択します。
- TTL値の入力: アクションを選択すると、TTL値を入力するための数値フィールドが表示されます。ここに、キャッシュさせたい期間を秒単位で入力します。
- 優先度 (↑↓ボタン): 複数のルールブロックがある場合、このボタンでルールの適用優先順位を調整します。通常、より具体的(狭い範囲)なルールをリストの上位(上に)配置します。
- ルールブロックのドロップダウンリストから、実行したいアクションを選択します。
- すべての設定が完了したら、「保存」ボタンをクリックしてルールを適用します。設定が反映されるまで、少し時間がかかる場合があります。
【管理画面で指定可能なTTLの範囲】
管理画面から直接TTL値を指定する場合、設定可能な値の範囲は以下の通りです。
項目 | 設定可能な値 | 設定可能な値 |
---|---|---|
最小値 | 0 秒 | TTLを 0 に設定すると、該当のコンテンツはキャッシュされません。 |
最大値 | 8640000 秒 (100日) | オリジン側にてCache-Control:max-age,s-maxageで指定した場合の最大値は2 ^ 31(約21億)秒になり、その値が優先されます。 |
主なユースケース #
コンテンツの特性や更新頻度に応じて、TTLを適切に設定(またはオリジンに委ねる)することが重要です。
- 更新頻度が高いコンテンツ:
- 例: 数分ごとに更新されるニュース速報、株価情報APIの応答など。
- 設定: 管理画面のルール設定で短いTTL(例:
60
秒、300
秒など)を指定します。オリジン側でCache-Control: max-age=60
のように指定することも有効です。
- 更新頻度が低い静的コンテンツ:
- 例: Webサイトのロゴ画像、CSSフレームワーク、JavaScriptライブラリなど、滅多に変更されないファイル。
- 設定: 管理画面のルール設定で長いTTL(例:
8640000
秒 (100日))を指定するか、オリジンサーバー側で適切に長いCache-Control: max-age
(例:31536000
(1年))やs-maxage
を返すように設定します。
- キャッシュさせたくないコンテンツ:
- 例: ログイン後の個人情報表示ページ、CSRFトークンを含むフォームページ、常に最新である必要がある在庫情報など。
- 設定: 管理画面のルール設定でTTLを
0
に設定するか、「キャッシュ無効化」ルールを適用します。または、オリジンサーバー側でCache-Control: no-store
またはCache-Control: private
を返すのが一般的です。
- Webアプリケーション側での動的な制御:
- 例: コンテンツ管理システム(CMS)やWebアプリケーションフレームワークが、コンテンツの性質(記事の公開状態、ユーザー権限など)に応じて最適な
Cache-Control
ヘッダを動的に付与する。 - 設定: DuraSite-Edge側のTTL設定はデフォルト値(または影響の少ない広域な値)のままにし、オリジンサーバーからの
Cache-Control
ヘッダの指示にキャッシュ動作を委ねます。これにより、アプリケーションレベルでのきめ細かなキャッシュ制御が可能になります。
- 例: コンテンツ管理システム(CMS)やWebアプリケーションフレームワークが、コンテンツの性質(記事の公開状態、ユーザー権限など)に応じて最適な