DuraSite-Edge Online Manual

3. HTTPバージョン

DuraSite-Edgeがクライアント(Webブラウザなど)との通信で使用するHTTPプロトコルのバージョンについて説明します。

機能概要 #

DuraSite-Edgeのエッジサーバーは、クライアントとの間で以下の主要なHTTPプロトコルバージョンでの通信をサポートしています。

  • HTTP/1.1: 現在も広く利用されている標準的なバージョンです。
  • HTTP/2: HTTP/1.1のいくつかの課題(Head-of-lineブロッキングなど)を解決し、通信の多重化、ヘッダー圧縮などの機能により、特にリソース数が多いWebページの表示パフォーマンスを向上させる新しいバージョンです。

クライアントがDuraSite-Edgeに接続する際には、クライアントとDuraSite-Edgeの間で対応しているHTTPバージョンが自動的に選択(プロトコルネゴシエーション)されます。通常、クライアントが対応しており、かつ後述する条件を満たしていれば、より高パフォーマンスなHTTP/2が優先的に使用されます。

設定方法 #

DuraSite-Edgeでは、HTTP/1.1とHTTP/2の両方が標準で有効になっています。

お客様がこれらのHTTPバージョンを有効化または無効化するための特別な設定を行う必要は通常ありません。 また、管理画面等でこれらの設定を直接変更する機能も、標準では提供されておりません。

【HTTP/2の利用条件】 重要な点として、主要なWebブラウザ(Chrome, Firefox, Safari, Edgeなど)の実装方針およびセキュリティ上の推奨事項により、HTTP/2はその主要な機能を利用するために、通常、HTTPS(TLSによる暗号化)接続が必須となっています。 したがって、DuraSite-Edgeとの接続におけるHTTPバージョンの選択は、以下のようになります。

  • HTTPS接続の場合: クライアントがHTTP/2に対応していれば、自動的に HTTP/2 で通信が行われます。クライアントがHTTP/2に未対応の場合は、HTTP/1.1で通信します。
  • HTTP接続の場合: 通常、HTTP/1.1 で通信が行われます。

主なユースケース #

DuraSite-EdgeがHTTP/1.1とHTTP/2の両方をサポートし、自動的にネゴシエーションすることにより、お客様は以下のようなメリットを享受できます。

  • パフォーマンスの自動的な向上:
    • お客様のWebサイトがHTTPSで公開されていれば、モダンなブラウザ(HTTP/2対応)を使用しているエンドユーザーは、特別な設定なしに自動的にHTTP/2接続の恩恵を受けられます。これにより、特に画像やスクリプトなどのリソース数が多いページの読み込み時間が短縮され、ユーザー体験が向上します。
  • 幅広いクライアント互換性の確保:
    • HTTP/1.1も引き続きサポートしているため、HTTP/2に対応していない古いブラウザや、HTTPプロトコルのみでアクセスしてくる一部のプログラム(特定のWebクローラーや監視ツールなど)も、問題なくお客様のコンテンツにアクセスできます。下位互換性が維持されます。
  • 効率的なAPI通信:
    • HTTPS上で提供されるWeb APIのエンドポイントに対しても、HTTP/2対応のクライアント(各種プログラミング言語の最新ライブラリなど)からのアクセスであれば、リクエスト/レスポンスの多重化により、より効率的なデータ送受信が可能です。多数の小さなAPIリクエストを並行して処理する場合などに効果を発揮します。
  • 接続状況の確認と分析:
    • Webブラウザの開発者ツール(通常、ネットワークタブで確認可能)を使用して、実際にWebサイトへのアクセス時にどのHTTPバージョン(HTTP/1.1 または HTTP/2 (h2))で通信が行われているかを確認できます。意図した通りにHTTP/2が利用されているかを確認することは、パフォーマンスチューニングや問題分析の手がかりとなります。