メインとして指定したオリジンサーバーへの接続に失敗した場合に、予備のオリジンサーバー(バックアップオリジン)へ自動的に接続を切り替えるフェイルオーバー機能について説明します。この機能は、オリジンサーバー障害時におけるサービス停止リスクを低減し、Webサイトやアプリケーションの可用性を高めることを目的としています。
機能概要 #
DuraSite-Edgeは、通常、プライマリ(メイン)として設定されたオリジンサーバーへコンテンツ取得リクエストを送信します。バックアップオリジン機能は、このメインオリジンサーバーへの接続に問題が発生した場合(応答がない、エラーを返すなど)に、自動的に「バックアップオリジン」として設定された予備のサーバーへ接続を試みる仕組みです。
オリジンサーバーの状態 | DuraSite-Edgeの動作 |
---|---|
メインオリジンが正常 | メインオリジンへ接続し、コンテンツを取得します。 |
メインオリジン接続不可、 バックアップオリジン正常 | バックアップオリジンへ自動的に接続を試み、コンテンツを取得します。 |
メイン・バックアップ共に接続不可 | オリジンサーバーへ接続できない旨のエラーを返します。 |
設定方法 #
設定方法:
- オリジンサーバー設定画面を開きます。
- バックアップとして利用したいオリジンサーバーの情報を登録または編集します。(「1. オリジンサーバーの情報」参照)
- 対象のオリジンサーバー設定項目内にある 「Backup」スイッチをオン(有効) にして、設定を保存します。
【設定上の注意点】
- バックアップオリジン機能を利用するには、メインとなるオリジンサーバー(「Backup」スイッチが オフ)が少なくとも1つ設定されている必要があります。
主なユースケース #
バックアップオリジン(フェイルオーバー)機能は、以下のような状況で特に有効です。
- オリジンサーバーの障害対策: メインのオリジンサーバーでハードウェア故障、ソフトウェアの不具合、ネットワーク障害など予期せぬ問題が発生した場合に、自動でバックアップオリジンへ切り替えることで、サービスダウンタイムを最小限に抑え、ビジネス継続性を確保します。ミッションクリティカルなサービスには不可欠な機能です。
- 計画メンテナンス中のサービス無停止化: オリジンサーバーのOSアップデート、セキュリティパッチ適用、アプリケーションのデプロイといった計画的なメンテナンス作業中も、サービスを停止させる必要がなくなります。メンテナンス対象を一時的にバックアップ扱いにするか、トラフィックをバックアップオリジンへ向けることで、ユーザー影響なく作業を実施できます。
- データセンター・リージョンレベルの障害対策: メインオリジンが設置されているデータセンターやクラウドリージョンで大規模な障害(停電、自然災害、広域ネットワーク障害など)が発生した場合に備え、地理的に離れた場所にあるサーバーをバックアップオリジンとして設定します。これにより、災害対策(DR)の一環として機能し、広域障害時でもサービスの提供を継続できる可能性を高めます。