リクエストされたURLのパスに基づき、DuraSite-Edgeがコンテンツ取得リクエストの転送先オリジンサーバーを動的に切り替える機能です。これにより、1つのFQDN内でコンテンツの種類や用途に応じて最適なサーバーへ振り分けられます。
機能概要 #
動作の仕組み #
- デフォルト動作: 通常、リクエストは設定された単一の デフォルトオリジン へ転送されます。
- ルーティング動作:
- URLパスのパターン(例:
/images/*
,/app/*
)と、そのパターンにマッチした場合の転送先オリジンサーバーを ルール として定義します。 - 受信リクエストのURLパスがいずれかのルール条件に マッチした場合、そのルールで指定されたオリジンサーバーへリクエストが転送されます。
- どのルール条件にも マッチしない場合 は、デフォルトオリジン へ転送されます。
- URLパスのパターン(例:
設定方法 #
- ルール優先度 (↑↓ボタン):
- 複数のルールが定義されている場合に、このルールの 適用優先順位 を上下の矢印ボタンで調整します。通常、リストの上にあるルールほど優先的に評価・適用されます。
- ルール種別 (ドロップダウン):
- 実行するアクションの種類として、「オリジン設定」を選択します。
- 転送先オリジン (入力フィールド1):
- 上記のルール種別で「オリジン設定」を選択した場合に、このルールに合致したリクエストを 転送する先のオリジンサーバー を指定します。
- プロトコル (例:
https
,http
) を含む完全なURL形式 で入力する必要があります。(例:https://www.example.com
)
- 送信Hostヘッダ (入力フィールド2):
- このルールに合致したリクエストをオリジンサーバーへ転送する際に、HTTPリクエストに含める
Host
ヘッダの値を上書き指定 するためのフィールドです。 - 入力した場合: ここに入力されたホスト名(例:
www.example.com
)がHost
ヘッダとしてオリジンサーバーへ送信されます。 - 空欄の場合:
- FQDN設定でHostヘッダを指定「2.ホストヘッダの変更」していない場合はアクセスされたFQDNです。
- FQDN設定でHostヘッダを指定「2.ホストヘッダの変更」していない場合はFQDN設定での指定に従います。
- このルールに合致したリクエストをオリジンサーバーへ転送する際に、HTTPリクエストに含める
主なユースケース: #
オリジンルーティングは、以下のような目的に活用できます。
- 段階的なサーバー移行: 新サーバーへ特定パス(例:
/new/*
) のリクエストのみを振り分け、サービス影響を抑えながら段階的に移行を進めます。 - コンテンツタイプ別のサーバー分散: 画像用パス (
/images/*
) は画像配信用サーバーへ、動画用パス (/videos/*
) は動画配信用サーバーへ振り分けるなど、コンテンツ種別に特化したサーバーへルーティングし、負荷を最適化します。 - アプリケーションごとのサーバー分離:
/blog/*
はブログ用サーバーへ、/shop/*
はEC用サーバーへ転送するなど、同一ドメイン内の異なるアプリケーションを、それぞれ独立したオリジンサーバーで処理します。 - 静的/動的コンテンツの分離: 静的ファイル用パス (
/static/*
,/assets/*
) はファイル配信用サーバーやストレージへ、それ以外はアプリケーションサーバーへ振り分けることで、サイト表示速度の向上やサーバー負荷の軽減を図ります。